Windows11 WSL2 Ubuntu Python
cuDNN 概要
ここまで WSL2 Ubuntu Python GPU 環境構築を続け CUDA Toolkit のインストールまで完了しました。
引き続き cuDNN のインストールをします。
cuDNN は CUDA の機能を使って、ディープニューラルネットワーク(DNN)
で用いる計算を高速化するための各種APIを提供する拡張ライブラリです。
DNN などを活用したディープラーニングでできる主な機能としては
画像認識、音声認識、言語処理等が挙げられます。
cuDNN をインストールすることで、各種畳み込み演算等を高速に動作させる API が使用可能になります。
Deep Learning には、Tensorflow 等の様々なフレームワークがありますが、
それぞれのフレームワークを用いて GPU で計算を行うためにはフレームワークごとに設定を行う必要がありました。
しかし、それは非効率的なため、あらゆるライブラリから共通して使えるライブラリとして作られたのが cuDNN です。
Deep Neural Nertwork で使われる基本的な機能をまとめた CUDA ライブラリで
あらゆるフレームワークから呼び出して使うことができます。
これにより、フレームワークごとに CUDA のコードを書く必要性がなくなるというメリットがあります。
cuDNN インストール
NVIDIA DEVELOPER のサイトにインストールファイルがあります。
cuDNNダウンロード
のページに行き
「cuDNN ソフトウェア使用許諾契約の条項に同意します」
にチェックを入れ最新の
「cuDNN v8.9.3 (2023 年7 月11日)をダウンロード(CUDA 12.x 用)」
をクリックします。
この中に「Local Installer for Ubuntu22.04 x86_64 (Deb)」がありますので
これを選択して Windows 上のどこでもいいのですがとりあえず
C:inst フォルダ
を作成しここにダウンロードします。
C:inst フォルダ に deb ファイル
cudnn-local-repo-ubuntu2204-8.9.3.28_1.0-1_amd64.deb
がダウンロードされましたのでこれをルート領域にインストールします。
Windows 上の作業は一旦終了です。
このファイルを WSL2 Ubuntu 上の
home/yamada/ に移動します。
yamada@yama:~$ mv /mnt/c/inst/cudnn-local-repo-ubuntu2204-8.9.3.28_1.0-1_amd64.deb .
Windows 上 c:inst にある deb ファイルを home/yamada/ に移動します。
移動先が「.」赤点になっていることに注目してください。
実行すると C:inst フォルダの deb ファイルはなくなります。
yamada@yama:~$ ls -la で
cudnn-local-repo-ubuntu2204-8.9.3.28_1.0-1_amd64.deb
があることを確認します。
cuDNN をインストールします。
yamada@yama:~$ sudo dpkg -i cudnn-local-repo-ubuntu2204-8.9.3.28_1.0-1_amd64.deb
yamada@yama:~$ sudo cp /var/cudnn-local-repo-ubuntu2204-8.9.3.28/cudnn-local-BD12C98D-keyring.gpg /usr/share/keyrings/
BD12C98D の値はバージョンにより変わるようです。
/usr/share/keyrings/ はサードパーティーリポジトリの公開鍵の保存場所です。
引き続き libcudnn8 libcudnn8-dev libcudnn8-samples をインストールします。
yamada@yama:~$ sudo apt update
yamada@yama:~$ sudo apt -y install libcudnn8 libcudnn8-dev libcudnn8-samples
cuDNN のインストールはこれで完了です。
引き続き cuDNN がうまくインストールされたか確認していきます。