さくら VPS Ubuntu アップグレ-ド

さくら VPS Ubuntu 20.04 LTS へアップグレ-ド

さくら VPS に入れていた Ubuntu 18.04 LTS を Ubuntu 20.04 LTS にアップグレードしてみました。
簡単にいくのかと思っていましたが、甘い考えでした。
悪戦苦闘しましたのでその顛末を書き記します。
まずは準備です。
update サブコマンドを使って Ubuntu 18.04 LTS の最新のパッケージ情報を再取得します。
シリアルコンソ-ル(β版)を開き、
yamada@********:~$ sudo apt update
dist-upgrade サブコマンドを使って Ubuntu のパッケージを更新
yamada@********:~$ sudo apt dist-upgrade
sudo apt upgrade という似たコマンドもありますが、そちらはパッケージを最新に更新するのみです。
dist-upgrade はパッケージを最新に更新、不要なパッケージの削除、カーネルの更新もしてくれます。
次に autoremove サブコマンドを使って Ubuntu の依存関係で必要なくなったパッケージを削除します。
yamada@********:~$ sudo apt autoremove
これで準備完了です。
update-manager をインスト-ルするように書いてあるサイトもありますが さくら VPS Ubuntu 18.04 LTS はすでにインスト-ルされています。

Ubuntu 18.04 LTS から 20.04 LTS へアップグレ-ド

まずは現状を確認します。
lsb_release コマンドで Linux系OS のバージョン情報をみることができます。
-a をつけるとわかることすべてを表示してくれます。
yamada@********:~$ lsb_release -a
No LSB modules are available.
Distributor ID: Ubuntu
Description: Ubuntu 18.04.5 LTS
Release:  18.04
Codename: bionic
それではアップグレードします。
yamada@********:~$ sudo do-release-upgrade
とすると update-manager が動き出してアップグレードが開始されます。
アップグレード中は、指示に従って項目を選択していきます。
これが曲者です。
なお -d というオプションもありますが、これは開発バージョンでも何でもいいから、 とりあえず アップグレードしてしまえ というオプションです。
安定的にサービスを提供しないといけないところに 開発バージョンでサービス提供なんて有り得ない話なので、 特に利用目的がない限り、-d オプションは、使わないでください。

アップグレ-ド中の警告

アップグレ-ドを開始するとすぐに


  リポジトリ情報のアップデート
  サードパーティが提供するリポジトリを使わない設定にしました。
  sources.list にあるサードパーティが提供するリポジトリを使わない設定
  にしました。

  アップグレード完了後、'ソフトウェアソース'
  ツールもしくはパッケージマネージャーを使って再び利用可能な設定にする
  ことができます。
続けるには [ENTER] キーを押してください

と言われます。
これはどうも Ubuntu ソフトウェアセンター以外からインストールしたパッケ-ジは リポジトリが登録され、自動更新されるようになっているが この「サードパーティーが提供するリポジトリ」を無効にするということらしいです。
よってこれらのパッケ-ジは自動更新ができないよ!
と警告しているようです。
どうしようもありません。
私の場合該当するものはないようなので、 [ENTER]キーを押しました。
ちなみに sources.list は
/etc/apt/sources.list
にあります。

パッケージの設定

引き続き、変更されている設定ファイルについて質問されます。
私の場合 7回質問されました。

質問1

   
 ┌──────────┤ 変更された設定ファイル ├──────────┐
 │設定ファイル /etc/dovecot/conf.d/10-master.conf の新しいバージョン  │
 │(/usr/share/dovecot/conf.d/10-master.conf) が利用可能ですが、       │
 │現在インストールされているバージョンは、ローカルで変更されています。│
 │                                                                    │
 │変更された設定ファイル 10-master.conf について何を行いたいですか?   │
 │                                                                    │
 │      パッケージメンテナのバージョンをインストール                  │
 │      現在インストールされているローカルバージョンを保持●          │
 │     バージョン間の差異を表示                                      │
 │      バージョン間の差異を並行表示                                  │
 │      利用可能なバージョン間の 3 ウェイ差分を表示                   │
 │      利用可能なバージョン間の 3 ウェイマージを実行                 │
 │      状況を検討するための新しいシェルを起動                        │
 │                                                                    │
 │                           <了解> Enter                             │
 └──────────────────────────────────┘

dovecot/conf.d/10-master.conf は私が変更しているファイルなのでそのまま残します。
「現在インストールされているローカルバージョンを保持」
を選択して<了解>を Enter しました。

質問2

   
 ┌──────────┤ 変更された設定ファイル ├──────────┐
 │設定ファイル /etc/dovecot/conf.d/10-ssl.conf の新しいバージョン     │
 │(/usr/share/dovecot/conf.d/10-ssl.conf) が利用可能ですが、      │
 │現在インストールされているバージョンは、ローカルで変更されています。│
 │                                                                    │
 │変更された設定ファイル 10-ssl.conf について何を行いたいですか?      │
 │                                                                    │
 │      パッケージメンテナのバージョンをインストール●                │
 │      現在インストールされているローカルバージョンを保持           │
 │      バージョン間の差異を表示                                      │
 │      バージョン間の差異を並行表示                                  │
 │      利用可能なバージョン間の 3 ウェイ差分を表示                   │
 │      利用可能なバージョン間の 3 ウェイマージを実行                 │
 │      状況を検討するための新しいシェルを起動                        │
 │                                                                    │
 │                           <了解> Enter                             │
 └──────────────────────────────────┘

dovecot/conf.d/10-ssl.conf は私が変更しているファイルなのでそのまま残せばよいと思って
「現在インストールされているローカルバージョンを保持」
を選択して<了解>を Enter しました。
これが失敗でした。
「パッケージメンテナのバージョンをインストール」
を選択して<了解>を Enter するべきでした。
このファイルはかなり大きく変更されています。
よって、新バージョンをインストールして後で、設定をし直します。
これについては後述します。

質問3

 ┌──────────┤ openssh-server を設定しています├──────┐
 │設定ファイル /etc/ssh/sshd_config の新しいバージョン                │
 │(/tmp/fileRtWS0f)が利用可能ですが、現在インストールされている       │
 │バージョンは、ローカルで変更されています。                          │
 │                                                                    │
 │変更された設定ファイル sshd_config について何を行いたいですか?      │
 │                                                                    │
 │      パッケージメンテナのバージョンをインストール                  │
 │      現在インストールされているローカルバージョンを保持●          │
 │      バージョン間の差異を表示                                      │
 │      バージョン間の差異を並行表示                                  │
 │      利用可能なバージョン間の 3 ウェイ差分を表示                   │
 │      利用可能なバージョン間の 3 ウェイマージを実行                 │
 │      状況を検討するための新しいシェルを起動                        │
 │                                                                    │
 │                           <了解> Enter                             │
 └──────────────────────────────────┘

ssh/sshd_config は私が変更しているファイルなのでそのまま残します。
「現在インストールされているローカルバージョンを保持」
を選択して<了解>を Enter しました。

ここまでで、アップグレードの半分ぐらいが完了しました。
長くなりましたので一旦ここで切りたいと思います。
引き続きアップグレードを進めます。


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