さくら VPS Ubuntu 22 → 24.04 アップグレ-ド
Ubuntu 24.04.2 LTS アップグレード python3 復活
アップグレードした Ubuntu 24.04.2 LTS の python3 が動作しなくなりました。
これを修正します。
私は Ubuntu 22.04 LTS までは python3 を root 領域にインストールしてきました。
これが大きな間違いでした、大幅な変更となりますが修正して行きます。
Ubuntu 24.04 LTS では root に Python ライブラリをインストールすることはできないようにしたようです。
python3 は root にあるのですが、Python ライブラリはありません。
仮想環境の中に Python パッケージを入れて Python を実行させることが必須になってしまいました。
仮想環境としては python3-venv が有名ですが、Intel の AVX 問題
(AVX 命令をサポートしていない CPU で Illegal instruction が発生する)
で TensorFlow がインストールできない問題が発生してしまいます。
詳細は仮想環境は必要?
を参照してください。
よってここでは Miniconda 仮想環境 base を利用して Python ライブラリをインストール
して行きます。
WSL2 Ubuntu Python 概要
が参考になります。
pip3 インスト-ル確認
Python パッケージインストール用 pip3 がインスト-ルされているか確認します。
Ubuntu 22.04 LTS の時に インスト-ルしたはずなので残っているはずです。
yamada@*************:~$ which pip3
/usr/bin/pip3
ありました。
Miniconda インストール
仮想環境 base を作成し、ここに各 Python パッケージをインストールすることにします。
conda install 命令を使える Anaconda はデータサイエンスをはじめるために必要なもの一式が揃っている Python
のディストリビューション (カーネルとかソフトウェアとか必要なものを一緒にして配布してくれるソフト) です。
一式揃っている反面、データーサイズが大きいです。
一方 Miniconda3 はパッケージ管理システムの conda と
必要最低限のパッケージのみにとどめた Python のディストリビューションです。
そこで今回はサイズの小さい Miniconda3 をインスト-ルし conda install 命令を使えるようにします。
Miniconda3 のインスト-ル方法については
Miniconda3 を Ubuntu へインストール
が参考になります。
- 作業ディレクトリ作成
作業ディレクトリ tmpmcon を作ります、名前は適当です。
yamada@*************:~$ mkdir -p tmpmcon
-p : 必要に応じて親ディレクトリも作成
作成できたら
yamada@*************:~$ cd tmpmcon
以降 tmpmcon 内で作業します。
yamada@yama:~/tmpmcon$
タ-ミナルの表示が変更になりました。 - Miniconda Linux 64-bitのシェルファイルダウンロード
公式サイトより、Python 3 用の Miniconda Linux 64-bit の 最新のシェルファイルをダウンロードします。
wget コマンドで作業ディレクトリにダウンロードします。yamada@*************:~/tmpmcon$ wget https://repo.anaconda.com/miniconda/Miniconda3-latest-Linux-x86_64.sh yamada@*************:~/tmpmcon$ ls [結果] Miniconda3-latest-Linux-x86_64.sh なお、 Miniconda3-latest-Linux-x86_64.sh.1 が見えるときあり。
となります。
- Miniconda3 インスト-ル開始
以下のコマンドで sh ファイルを実行します。
yamada@*************:~/tmpmcon$ bash Miniconda3-latest-Linux-x86_64.sh
"ライセンスアグリーメントを確認してください"
というメッセージが出ます。
Enterキーを何回も押下してライセンスアグリーメントの内容を確認します。
Do you accept the license terms? [yes|no]
[no] >>>
Please answer 'yes' or 'no':'
>>> yes
ライセンスアグリーメントに同意する場合 yes と入力し、Enterキーを押下します。
Miniconda3 will now be installed into this location:
/home/yamada/miniconda3
インストール先を確認します。
デフォルトは"/home/ユーザー名/miniconda3/"となります。
Enter キーを押下するとインストールがはじまります。
- Press ENTER to confirm the location
- Press CTRL-C to abort the installation
- Or specify a different location below
[/home/yamada/miniconda3] >>>
→ miniconda はここにインストールされました。
インストールが完了すると、初期化のために conda init を実行するかどうか確認されます。
yes と入力し、Enterキーを押下します。
以上でインストール手順は終了です。 - Miniconda3 base 環境 無効化
Ubuntu で新たにターミナルを開くと、デフォルトの仮想環境である base 環境が有効になります。
ターミナル起動時に仮想環境を自動で有効化したくない場合は、以下のコマンドを実行することで変更が可能です。
yamada@yama:~$ conda config --set auto_activate_base false
WARNING conda.cli.main_config:_set_key(453): Key auto_activate_base is an alias of auto_activate; setting value with latter
の WARNING が出ますが無視します。
base 環境を有効にしたい時は
yamada@yama:~$ conda activate
base 環境を無効にしたい時は
(base) yamada@yama:~$ conda deactivate
とします。
Miniconda インストール確認
Miniconda3 インスト-ル途中で
Miniconda3 will now be installed into this location:
/home/yamada/miniconda3
と通知されました。
さらには
(base) yamada@*************:~$ python -V
とすると
Python 3.13.5
となります。
よって
/home/yamada/miniconda3/bin/python3.13
に Miniconda3 の python3.13 がインスト-ルされたようです。
さくら VPS Ubuntu CGI Python3 ファイル作成
で作成した test.py ファイル
が動作するか確認します。
まずは base 環境で確認します。
yamada@*************:~$ conda activate
(base) yamada@*************:~$ public_html/test.py
Content-type: text/html; charset=UTF-8
Hello WORLD!!
こんにちは
と実行できます。
次に、非 base 環境で確認します。
yamada@*************:~$ miniconda3/bin/python public_html/test.py
Content-type: text/html; charset=UTF-8
Hello WORLD!!
こんにちは
となります。
上手く実行できました。
ちなみに python3 は root 領域にもありますので、これを利用してみます。
yamada@*************:~$ python3 /public_html/test.py
Content-type: text/html; charset=UTF-8
Hello WORLD!!
こんにちは
これも上手く実行できました。
やっと仮想環境の準備ができました。
引き続き Python ライブラリをインストールしていきます。